「森友」問題解明 佐川氏喚問が不可欠だ – 東京新聞

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 森友学園への国有地売却に関する財務省文書には、交渉に関する記録が記されていた。交渉記録を廃棄したとする佐川宣寿国税庁長官の答弁は虚偽ではないのか。全容解明には証人喚問が不可欠だ。

 財務省が九日、公表済みの内部文書五件以外に新たに文書二十件を国会に提出し、公表した。二〇一三年八月〜一五年四月に同省内で、法律関係の問題点を検討した際の照会や回答の文書である。

 国会の求めに応じて文書を提出したことは一歩前進ではあるが、これらの文書を会計検査院に提出したのは昨年十二月下旬以降だ。十一月に公表された検査結果には反映されておらず、検査逃れと疑われても仕方があるまい。

 文書には、八年間借り受けた後に購入したいなど、学園側からの要求があるたびに、同省の売却担当者が法令担当者に契約内容を相談していたことなどが記されていた。交渉に関する記録であることは否定できないのではないか。

 昨年の通常国会で、同省の理財局長だった佐川氏は、学園側との交渉記録を「廃棄した」と繰り返し答弁していた。麻生太郎財務相は「法律相談であって面会記録ではない」と、答弁に偽りはないと主張するが、詭弁(きべん)ではないのか。

 国会で国有地売却問題をめぐる追及が始まってから一年が経過するが、いまだ全容解明に至っていないのは、財務省をはじめ政府側が不正確、不誠実な答弁を繰り返してきたからではないのか。

 徴税機関の長である国税庁長官に就任した佐川氏は、記者会見を開かないなど、異例の対応を続けている。なぜ自ら語ろうとしないのか。このまま不誠実な態度をとり続ければ、十六日から始まる確定申告の業務に、支障が出る可能性がないとは言い切れまい。

 共同通信社による最新の世論調査でも佐川氏を国会招致すべきだとの答えは66・8%に上る。これが確定申告を控えた国民の偽らざる気持ちだろう。付言すれば、全容解明には、佐川氏の参考人招致にとどまらず、虚偽を述べれば偽証罪に問われる証人喚問が必要だ。

 森友問題に関して政府側の虚偽と指摘される答弁が明らかになった以上、加計学園による獣医学部新設をめぐる政府の対応が本当に適切だったのかも、あらためて問わざるを得ない。

 安倍晋三首相らの関与や官僚による忖度(そんたく)の有無が問われ、傷ついた政治への信頼を回復するには、政府・与党が国会での解明に進んで協力することが大前提である。

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