【衆院選】「3極対決」の象徴区で本当に“格好いい”のは誰? 埼玉5区

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「進次郎さん、こっち向いて〜」。衆院選が公示された10日午後、さいたま市のJR大宮駅前に黄色い声援が飛んだ。自民党筆頭副幹事長、小泉進次郎が党公認の牧原秀樹の応援に駆け付けていたのだ。集まった聴衆は約1万人(牧原事務所)とされ、駅前の空中回廊とその下の歩道を埋め尽くした。

自民党が選挙戦の初日に党内きっての“人気弁士”を送り込んだのには理由があった。

自民党は埼玉5区で過去6回、連続して立憲民主党代表の枝野幸男に敗れている。自民党に追い風が吹いた平成26年の前回衆院選でさえ、約3000票差まで迫ったものの勝てなかった。今回は枝野が属した民進党が事実上「解党」し、「与党VS希望の党VS左派共闘」の3極対決の構図となった。枝野の牙城を切り崩す「最大のチャンス」(自民党関係者)と踏んだ。

「皆さん、リベラルってなんですか?」。マイクを握った小泉はそう切り出し、「イデオロギーの象徴的な選挙区の中で、イデオロギーの渦にのまれないように、次世代のために、しっかりと働いてくれる人を国会に送り込んでください」と訴えた。

その2時間後、枝野が同じ場所で街頭演説を行った。「上からの政策を草の根の政策へと変えていこうではありませんか!」と熱弁をふるった。党代表として仙台で第一声を行った後、都内を回ってからの地元入り。暗くなっていたとはいえ、集まった聴衆は約500人(枝野事務所)だった。

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牧原陣営は「前回選挙で安倍晋三首相(自民党総裁)に応援に入ってもらったとき以上の熱気だった」というが、逆に「この勢いが実際の投票行動につながってくれればいいんですけどね」といった不安の声も漏れる。

新党・立憲民主党の代表として連日、メディアに登場する枝野に対し、牧原は全国的な知名度はない。しかも枝野と同じ弁護士出身で若く、なかなか差別化を図れずにいる。追い風は感じられず、危機感が募る。

決起集会では公明党参院議員の西田実仁が壇上で自公の絆の固さをアピール。その上で「(相手候補は)何となく、格好いいということになっていますけどね、全く違うんですよ。民進党の総会で、満場一致で希望の党に移るって決めたのに、排除されちゃうんで仕方なくつくったんですよ」と新党結成の経緯を皮肉った。

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公示日の翌朝、枝野は霧が立ちこめるJR与野本町駅(さいたま市)前で通勤客らに声をかけていた。駅立ちは活動の原点だ。「頑張ってください!」。中年女性が駆け寄って握手と記念写真の撮影を求めていた。

2日の新党結成表明以降、枝野の地元事務所には「筋を通してくれた」「寄付をさせてほしい」という激励の電話やメールが殺到している。電話が1日150本、メールは3日で2千通に上った。立憲民主党の公式ツイッターもフォロワー数が急増し、マスコミにも取り上げられた。地元事務所は「保守系の人たちからも『男を上げた』と言われることがある」と驚く。

地元の民進党県議や市議は枝野を支持した。ある県議は「ここまで反応があるとは思っていなかった」と語る。共産党も左派勢力の受け皿となる立憲民主党の発足を歓迎して公認候補者の擁立を取りやめ、「野党共闘」が実現した。

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一方、“刺客”として選挙戦に挑む希望の党の高木秀文。枝野や牧原と同じく弁護士として活動し、9月中旬に衆院議員、若狭勝の政治塾に参加し、出馬を打診された。今月3日に正式に公認を受け、6日に選挙区内に住民票を移すという慌ただしさだった。

本格的な演説は公示日が初めてだった。妻が子供を保育園に預けられず、内定していた会社での就職をあきらめた経験などを踏まえ、待機児童対策などを訴えていくという。「知名度の逆転は考えられない。希望の党の政策を訴えていけたらいい」。ゼロからのスタートに戸惑いながらも、決意の表情を浮かべていた。

全国289選挙区のうち3極対決が展開されているのは145選挙区。その中で最も象徴的な選挙区とされる埼玉5区の行方は投票箱が開くまで予断を許さない。(敬称略、長嶋雅子)

▽埼玉5区(3人)

牧原秀樹(46)☆厚労副大臣 自民 前<公明>

枝野幸男(53)☆党代表   立民 前

高木秀文(44)☆弁護士   希望 新<維新>

※届け出順、☆は比例と重複

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大宮駅前で自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長の街頭演説を聞く有権者=10日、埼玉県さいたま市(佐藤徳昭撮影、画像の一部を処理しています)





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