米艦への給油や防護、実践段階に 安保法成立2年

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 自衛隊の任務を広げた安全保障関連法の成立から19日で2年を迎える。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威は増し、自衛隊は安保法に基づき米艦への給油や防護という新任務に着手。日本の防衛政策の転換点となった安保法制定は実際の任務をする段階に入った。日米同盟を強化するテコになったが、日米一体化のリスクや情報開示のあり方には課題が残る。

 小野寺五典防衛相は15日の記者会見で「15日も北朝鮮の弾道ミサイル発射があった。日米の同盟強化がさらに必要だ。2年前に安保法を成立させたのは大変意義があった」と強調した。

 安保法は2015年9月に成立、16年3月に施行した。集団的自衛権を使えるようにしたのが最大の柱。平時から有事まで米軍との協力を深める内容だ。

 平時で認めた任務はすでに実際の任務や訓練をした。有事やそれに近い状態になったらできる任務は実施していない。

 新任務としてこなしたのは米イージス艦への給油と米艦防護だ。

 海自の補給艦が4月から燃料を補給しているのは弾道ミサイル警戒にあたる米イージス艦。安保法で、燃料や物品を提供できる米軍の対象は広がり、ミサイル防衛に当たる米艦も加わった。

 米艦防護を巡っては5月、海上自衛隊の護衛艦「いずも」が太平洋側で米補給艦と並走した。

 国際貢献活動では昨年11月、離れた場所にいる国連職員らを助ける新任務「駆けつけ警護」を南スーダン国連平和維持活動(PKO)施設部隊に付与した。今年5月に完全撤収し、実施することはなかった。

 北朝鮮情勢が緊迫するにつれ、防衛省は安保法の新任務も想定する。日本の平和に重要な影響を与える事態になれば、米戦闘機への空中給油など支援メニューは広がる。

 日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合は「存立危機事態」と認定し、集団的自衛権を使えるようになった。小野寺氏は8月、北朝鮮が予告した日本上空を通過し米領グアム沖に向かう弾道ミサイルに関し、集団的自衛権で迎撃できるとの見方を示した。

 ただ、米軍の戦闘に自衛隊が巻き込まれるリスクも高まる。武力を行使しなくても米軍と一体とみなされるためだ。

 政府は米艦防護を実施したかや、米艦への給油の詳細を公表していない。防衛省幹部は「米軍の運用状況は他国も細かく公開しない」と話すが、情報公開は問われる。

 国論を二分した安保法は、なお政界で対立するテーマだ。民進党の前原誠司代表は安保法について「修正ではなく廃止を求める」と強調。共産党の志位和夫委員長は米艦防護を「地域の緊張を高める」と批判する。





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