安倍首相に改憲資格なし=水島朝穂早大教授-インタビュー・憲法改正を問う

Home » 3媒体 » グノシー » 安倍首相に改憲資格なし=水島朝穂早大教授-インタビュー・憲法改正を問う
グノシー コメントはまだありません



No image

憲法改正についてインタビューに答える早稲田大の水島朝穂教授=20日、東京都新宿区の同大

憲法改正について、憲法学が専門の水島朝穂早大教授に話を聞いた。

-安倍晋三首相が憲法9条1、2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する改憲案を提示した。

政府は、憲法解釈で自衛隊を「自衛のための必要最小限度の実力」と位置付けた。だからこそ、集団的自衛権の行使はその必要最小限度を超えるから違憲との解釈を維持してきた。安倍政権は、その解釈を(集団的自衛権行使を容認する2014年7月の)「7.1閣議決定」で覆した。その本人が9条2項をそのままにして自衛隊の根拠規定を憲法に追加するというのは、論理的説明がつかない。あり得ないことをやってきた安倍政権が憲法の明文改正を行う資格はない。

-首相は「残念ながら憲法学者の多くが自衛隊は違憲と言っている」と発言している。

憲法学で自衛隊違憲論が多数を占めてきたのは、9条と自衛隊との関係をみたとき、自衛隊は2項の「戦力」に該当し、違憲と解釈せざるを得ないからだ。

-首相は新憲法の20年施行を目指す方針も表明したが。

東京五輪・パラリンピックの年である20年と区切ったというのは、一種の「ショック・ドクトリン」だ。人間は大地震とか大きな出来事が起きたときには思考が停止してしまう。五輪があるなら(憲法を)変えてしまおうと、お祭り騒ぎに便乗するという五輪便乗型改憲論だ。

さらに憲法改正発議権を持たない首相が発議権を有する国会議員の頭越しに9条改正を押し付けるもので、国会への重大な背信行為だ。国民の理解は到底得られない。

-首相は9条以外の改憲項目について「教育は極めて重要なテーマ」とも発言した。

「高等教育の無償化」に憲法改正など全く必要ない。法律の改正や予算措置で対応できる。これは日本維新の会を賛成させるためのタクティクス(戦術)だ。(首相提案は)加憲の公明党と維新の賛成を得るためだけのものだ。

-報道各社の世論調査で安倍内閣の支持率が急落する中、改憲は進められるか。

安倍政権の信頼性は大きく揺らいでいる。党内から「もう無理」との声も出てきた。私が危惧するのは、首相が憲法改正という実績を示すためだけの「自爆改憲」に向かいかねないことだ。

-憲法改正議論で与野党に期待することは。

与野党が土俵を共有できて改憲の必要性の議論ができるようになるまでは議論すら必要ない。

水島 朝穂氏(みずしま・あさほ)1953年生まれ。早大院博士課程満期退学。札幌学院大助教授、広島大助教授を経て、96年から現職。東京都出身。(2017/08/13-14:23)





コメントを残す