政治資金の透明化が不祥事を防ぐ – 日本経済新聞

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 自民党の政権復帰で政治資金の流れは変わったか。注目を集めた2013年分の政治資金収支報告書が公表された。自民党への献金が前年比7割近く増え、与党効果を印象付けた。安倍政権への経済界の期待の表れではあるが、「政治とカネ」の問題につながらないかどうかしっかり見守りたい。

 総務省が発表したのは、国所管の3345の政党や政治団体が提出した報告書だ。収入の総額は1134億円で、前年比0.3%増とほぼ横ばいだった。

 与野党交代で政党ごとの収支は激変し、自民党の収入は前年より74億円増の233億円で5年ぶりにトップに返り咲いた。

 12年12月の衆院選での議席増で政党交付金が前年より49億円増額されたのが大きかった。個人や企業などからの献金も10億円近く増えた。企業献金の増加分のほとんどが自民党関連だった。

 経団連は今年9月に企業献金への関与を再開すると表明した。14年分では自民党への企業献金の集中はさらに進みそうだ。

 こうした献金において重要なのは透明度を高めることだ。業界団体などが自分たちの利益のために政治に働きかけをすることは違法ではない。やり方が常識の範囲内かどうか。政治家がどこから資金を受け取っているかが一目瞭然になれば有権者も判断しやすい。

 国所管分と都道府県所管分の一括処理、役所のホームページですべての報告書が領収書のコピー付きで即時閲覧できる仕組みづくりなどに努めてもらいたい。

 報告書を提出前に事前監査する政治資金監査人制度が08年にできたが、小渕優子前経済産業相の閣僚辞任を招いた不明朗な資金の流れを防げなかった。原因を調べ、制度の手直しが急務である。

 「政治とカネ」の問題が突然の衆院解散の一因などといわれるわりに、この問題に関する論戦があまり活発でないのは残念だ。

 衆院選の公約をみると、公明党が政治資金規正法改正、維新の党が国会議員の文書通信交通滞在費の使途公開などを訴えているが、自民党は全く触れていない。反省しているのかが問われる。

 しばらく前まで「政治とカネ」といえば、賄賂まがいの裏献金をどうなくすかが課題だった。最近は資金の使い方にも関心が集まっている。政治家は以前よりも厳格に身を律する必要があることを自覚せねばならない。





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